教会だより

2024年10月813号

聖母からの見習い

【マリノE.デハクトJr.】

ご存じのように十月はロザリオの月だと言われています。ロザリオはカトリック信者にとってなくてはいけない聖母の信心です。どこの国でもカトリック信者であれば、ロザリオの祈りを知らない人はいないでしょう。聖人たちもマリア様に対する信心を持っている人は珍しくないです。司祭、修道者にも聖母に対する信心を持つように強く勧めています。

子供の頃、家族、近所の人たち、学校でも皆と一緒にロザリオを唱える時がたびたびありました。特に天災、社会問題がある時、皆が集まってロザリオを唱えることがありました。私がロザリオを毎日唱えるようになった理由は宗教の授業でロザリオを覚えなければならないからです。また大きな試験がある時、ロザリオが必ず出るからです。覚えるために毎日、ロザリオを唱えました。中学生の頃でした。でも卒業した後、ロザリオを唱えることがやめられませんでした。私は小学生の頃から司祭になることを考えていましたが、他のことを夢中になって忘れていた時もありました。ロザリオの祈りのお陰で神様の呼びかけを完全に忘れていなかったと思います。またどんな召命にもマリア様の取り次ぎと導きが重要です。それがなければ頂いた召命を全うするのは難しいです。マリア様が神様からの呼びかけに応える時、いろいろな試練と出会いました。彼女は私たちと同じような体験をなさいました。頂いた召命を全うすることと忠実に果たすことをどういうふうに実践すれば良いのか、彼女がよくご存じです。だから聖母マリアの模範を見習うことがいつの時代でも大切です。

聖書ではマリア様のことがあまり書かれていません。でもその書かれている箇所には彼女が救いの計画に大切な役割であると分かります。皆さん、ご存じのように聖母マリアが神様の招きに「はい」と答えた時、救いの計画は完成されました。大昔から預言者たちはメシアの到来、つまりイエス様が来られることについて語っていました。私たちはこの世に生まれる前から罪があると信じています。この罪は原罪と呼ばれます。ですから私たちは最初から罪人なのです。しかし神様は人間を愛してくださり、この罪から解放されたくて、救い主を遣わすという約束をなさいました。またこの約束を神の恵みによってマリア様を通して実現なさいました。マリア様がこの与えられた使命を受諾するのは簡単ではなかったと私たちは分かります。彼女は勇気を出して、神のみ旨に信頼して素直に受け入れたのです。彼女は神の母になるという使命を受け入れた時自分の人生だけではなく、全人類の未来をも変えられたのです。

私たちはマリア様が神様のメッセージを聞いて受け入れた場面を素晴らしいと思うかもしれませんが、実はこの出来事はマリア様についての事しか書かれていないわけではないのです。私たちもマリア様のように使命を与えられているからです。彼女が自分の与えられた使命を受け入れたように、私たちも受け入れているのか自分に問わなければなりません。私たちの目の前に実際に天使が現れることはありませんが、神様の招きはいろいろな形で表われます。例えば、転職の話がある時、家族の中で誰かが重い病気になった時、「私は主のはしためです。お言葉通り、この身になりますように。」と言えるでしょうか。あるいは年を取ったせいで身体が弱くなった時、建てた計画が思った通りならなかった時、マリア様と同じように神様の招きに応えることが出来るでしょうか。聖母マリアのなさったことは私たちに希望を与えるものになります。しかし私たちは自分の弱さによって神のみ旨に逆らう者になってしまう時がたびたびあるでしょう。でもマリア様の残された模範を少しずつ学ぶことが出来れば、神のみ旨に従う者になれます。

今月は聖母の月なので、マリア様に対する信心を日常生活に入れて実践しましょう。全ての人のみ母を褒めたたえることはキリスト者らしいの生き方の一つです。

 

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