教会だより

2022年06月785号

私たちの愛の実践

アダム・クジャク】

2月24日にロシアのウクライナへの侵攻が始まり、未だに続いている状況です。私たちに入ってくるニュースだけでも、想像できないような人間的被害(苦しみ)と物的損失を引き起こしています。この事で多くの兵士達と民間人達が命を落としたり負傷したりしています。何十万人もの人々が家を失い、今まで築いてきた全ての財産、歴史的建造物である綺麗な教会なども失いました。教皇ヨハネ・パウロ2世は広島で「戦争は人間の仕業です。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です。・・・」と宣言なさいました。これは人間の背景にいる悪魔が働きかける誘惑に屈服してしまい、操られた結果、戦争が引き起こされるのです。

ウクライナの膨大な数の人々が戦争の恐ろしさで、特に女性と子供たちが、他の国々に逃げて行きました。ウクライナの隣国になるポーランドも国境を開放し、今までに約300万人の難民を受け入れています。特にカトリック教会は、ウクライナの人々を助けることに関与し、カリタス•ポーランドや数えきれない修道会、小教区、学校と非営利団体が物質的と霊的(祈り)のサポートを戦争が勃発した時からすぐに始めています。ポーランド人達は他の国と異なり難民キャンプを作っていなかったのですが、彼らを自分の家族の一員として自分の家に受け入れています。他の難民も下宿、ホテル、学校、その他の施設に入れるようにしています。このように多くの人々の世話をするには資金がかかりますので、各教会で献金と物質的な援助の協力を募っています。食料品、医薬品、衛生用品、衣類、毛布、寝袋などを携えた車での輸送が手配され、沢山の食料品と基本的な必需品をウクライナにも向けてトラックで運び又ポーランドに戻ります。私たちのエスコラピオスの修道会も難民を支援することに協力しています。ポーランドのエスコラピオス修道会の小教区と学校でも献金と物質的な援助が実践されています。一部のエスコラピオスの学校は難民が部屋を利用できるように開放しています。何千人ものホームレスのウクライナ人が、エスコラピオス会の小教区に属する家族や修道院にも住む場所が見つかりました。またウクライナにはまだ戦火の中で3人のエスコラピオスの宣教師が働いているので、彼らに生活必需品を特別な輸送機関で直接送られるようにしています。

戸部教会からも沢山の献金を皆さまより御協力頂きありがとうございました。直接エスコラピオス会のポーランド管区に送り、管区長より感謝の手紙も送られてきています。

私たちはよくイエスに倣ってという言い方をしますが、それはイエスの生き方、教えを実践するという事です。それは簡単なことではありません。神の愛は無限です。神の愛は、私たちが自分の欠点や限界を克服し、より良い人間になり、良い世界になるように教えています。この世を愛と平和で満たし、お互いに尊敬し合う世界を築くことを望まれています。特にイエスは私たちに、宗教、人種、社会的地位に関係なく弱者や病気、困っている人々を助けなければならないと望んでいます。

聖書の中に「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉が書かれています。その中で律法学者がイエスに「私たちの隣人とはだれですか」と尋ねました。イエスは良いサマリア人の物語で答えました。レビ人と祭司は道端で強盗に襲われて死にそうな人を見ても、通り過ぎてしまいました。逆にサマリア人が(当時はユダヤ人と宗教上の理由から、関わりたくない人種だった)この人を世話して助けてあげました。三人の中でサマリア人だけが隣人となりました。イエスの教えによると病人や貧しい人、苦しんでいる人達を助ける人が隣人となります。

東北の地震の時にも、又このコロナ禍でも日本の人たちは厳しい中で生活をしていても、教会だけでなく皆がすぐに支援をして助け合う心があります。自分のためにだけ生きているのではなく、困っている人々に手を差し伸べる素晴らしい力があります。

イエス様は私たちを罪から解放するために十字架にかかり、永遠の命を人間に与えられました。ご自分を捧げられたキリストの愛、決して私たちをお見捨てにならないと約束して下さっている神の愛に私たちも答えるように致しましょう。

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