2025年05月820号
奉仕への聖なる呼びかけ
【ラジュ・アントニー】

2025年4月21日付で戸部カトリック教会の主任司祭に任命されました、ラジュ・アントニー神父です。腰を低くしてこの新たな務めを始めるにあたり、一言ご挨拶申し上げます。私は、微力ながらも、この信仰共同体に引き続き奉仕し、さらに主任司祭として関わるチャンスを頂いたことに、心から感謝しています。申し上げるまでもなく、この任命は私の功績によるものではありません。私が深く信じているのは、この奉仕職に私を選んで下さった主が、皆様の支えと祈りを通して、御旨を果たすように、私を強めて下さるということです。シノドス的な教会の精神によれば、私たちの使命は、ただ仕事をするというだけではありません。それは、聴くこと、識別すること、そして愛をもって献身的に行動することを通して、ともに歩むことです。奉仕と献身は、交わり、参加、そして宣教(ミッション)に根ざしたシノドス的な教会のビジョンを支える2つの柱です。
シノドス的な教会においては、奉仕は個人的な努力を超えて、共同体的なミッションとなります。シノダリティとは、共同体のメンバー一人ひとりのユニークな賜物や声を認め合いながら、ともに旅することへの招きです。私たちは、奉仕を通して、キリストの教えと、キリストの謙遜・犠牲そして限りない憐れみの模範を、具体的な形にしていくのです。シノドス的な教会における奉仕は、愛徳のわざにのみ限定されるものではありません。それは、互いに耳を傾け、疎外された人々を力づけ、帰属意識を育むことをも含んでいます。私たちは、神の愛を世界に行き渡らせるというコミットメントを分かち合うことにおいて、共同体として一つに結ばれています。
献身とは、私たちの奉仕を支える着実な炎です。シノドス的な教会において、献身的な姿勢が表われてくるのは、協働することへと開かれた私たちの態度や、奉仕における私たちの忍耐強さ、そして私たちの、聖霊の導きに対する揺るぐことのない信頼においてです。献身的な教会共同体は、留まったままでいることはありません。今の時代の必要と試練に応えながら、絶えず世界との新しい関わり方を模索します。私たちは、献身を通して、私たちを一つに結びつける絆を強め、教会の使命へのコミットメントを深めるのです。
戸部教会がシノドス的な共同体として、ともに旅を続けるには、協働、祈り、そして互いに支え合うことが不可欠です。一人ひとりの貢献を大切にし、お互いを通して聞こえてくる神の声に耳を傾けながら、すべての人を包む包摂の精神をもって、ともに歩みましょう。奉仕と献身によって、私たちは、戸部小教区の中だけでなく、より大きな教会共同体における変革をも促すことが可能です。
シノドス的な教会として、私たちが歩む道は、交わり、参加、そして宣教(ミッション)の道です。この方針が私たちに呼びかけているのは、奉仕とは、共同体的な努力であり、その愛と優しさのあらゆる行いのうちに、私たちの間におられるキリストの現存が反映されているということです。私は、戸部カトリック教会の主任司祭という聖務に携わるにあたり、奉仕と献身という共同のミッションの中で、皆さん一人ひとりがそこにどのように貢献できるのか、各々深く考えていただきたいと思います。マタイ福音書20章28節から、イエスさまが教えて下さったことを思い起こしましょう。「人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのと同じように。」キリストの心を映し出す共同体――信仰と愛において人々に耳を傾け、仕え、ともに歩む教会を一緒に築き上げましょう。
5月は聖母マリアを讃える月です。聖母のとりなしに委ねましょう。マリアさまが、私たちのために御子イエスにとりなして下さり、イエスさまが私たちをいつも守り導いてくださいますように。また、戸部教会の守護聖人である聖フラシスコ・ザビエルと、エスコラピオス修道会の創始者である聖ヨセフ・カラサンスのとりなしも願い求めましょう。