教会だより

2023年02月793号

ルルドにおける最初の奇跡

ラジュ・アントニー

2月11日はルルドの聖母の記念日です。1858年のその日、聖ベルナデッタが初めて聖母マリアのご出現を受けたことを記念しています。聖ヨハネ・パウロ二世教皇は、この日を「世界病者の日」に定めました。病気の人々や病人の世話をする人々のために祈ることを、特に促進する日とするためです。彼は、使徒的書簡「サルヴィフィチ・ドローリス(苦しみのキリスト教的意味)」の中で、苦しみというテーマについて広範な省察を書き記し、苦しみとは常にイエス・キリストを通した贖い(あがない)のプロセスであると考えていました。そして、第1回目の「世界病者の日」が、1993年2月11日に実施されました。戸部カトリック教会では、今年の2月11日も例年通り、ルルドの聖母を称えつつ、病者のための祈りの意向をもってミサを捧げ、必要な方々には病者の塗油の秘跡が授けられます。

このことに関連して、私は、ルルドで最初に起こった奇跡ついて書きたいと思います。この奇跡は確かに、神への信仰、聖母のとりなしへの信頼という点で、私たちを励まし元気づけてくれるものです。ルルドの奇跡の泉は、癒しの水として世界的に有名です。この奇跡の泉の場所は、1858 年 2 月 25 日に聖母がベルナデッタに示されました。そしてその4日後の1858年3月1日、ルルドにおける最初の奇跡が、聖母のとりなしによってカトリーヌ・ラタピ夫人に起こったのです。

カトリーヌ・ラタピ夫人は 1820 年生まれ。ルルドから数キロ離れたルバジャックに住んでいました。 1858 年 3 月 1 日に癒しを体験したとき、彼女は 38 歳。3回目の妊娠で出産間近の状態にありました。その約1年半前、1856年10月に彼女は木から落ちて、右手を負傷してしまいました。この事故により、彼女の尺骨神経に麻痺が残り、右手の薬指と小指は全く動かすことができませんでした。

1858 年 2 月 28 日から 3 月 1 日にかけての夜、彼女はルルドに行きたいという突然の衝動に駆られます。朝 3 時に起き、幼い子供たちを起こしてルルドに向けて出発しました。夜明けに到着し、そこで彼女はベルナデッタに会いました。彼らは洞窟に行き、ひざまずいて祈りました。それから、全く単純な動作で、彼女は小さなくぼみに手を浸しました。そこには、泉から集めた水が既に入れられてあったのです。彼女の指は、たちどころに元に戻りました。動きと柔軟性を取り戻したのです。彼女は、事故前と同じように、指を曲げたり伸ばしたりすることができるようになりました。そして 彼女は家に帰り、その晩3人目の子供を出産しました。男の子でした。その子は 1882 年に司祭に叙階されました。カトリーヌ・ラタピの、ルルドの洞窟での奇跡は、1862 年 1 月 18 日にカトリック教会から公式に奇跡として認定されました。

聖母の力強いとりなしを求めましょう。ルルドの聖母、私たちのためにお祈り下さい。病に苦しむ人を癒す方 聖マリア、私たちのためにお祈り下さい。

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