教会だより

2023年11月802号

ミサは亡くなられた方々への最高の贈り物

【ラジュ・アントニー】

ミサは死者に与えることのできる最高の贈り物である、と言われるのはなぜでしょうか? 教皇聖ヨハネ・パウロ二世の初ミサが捧げられたのは、死者の日でした。カロル・ヨゼフ・ヴォイティワ 神父(当時)はその日、その聖なる初ミサが、死者に与えることのできる最高の贈り物であることをよく理解した上で、それをご両親とお兄様のご霊魂のために捧げられたそうです。

カロルは幼い頃に、母親と兄を亡くしていました。20代のとき、彼の父親も亡くなりました。こうしたことが、カロルのその後の人生の選択に、影響を与えたのかもしれません。彼が司祭職への召命を感じ始めた頃、ポーランドはヒトラー・ナチス軍の占領下にありました。1945年1月18日ナチス軍によるクラクフの占領は終了しました。人々が戦争で荒廃した都市を再建し始めたとき、別の悲しいニュースが彼らに届きました。ロシア共産党軍が都市を支配したのです。ポーランドは再び統制下に置かれることになりました。カロルは、ポーランドでも歴史的に有名なヤギエウォ大学で神学を修了し、叙階の秘跡の恵みをいただく準備を始めました。

1946年の諸聖人の日に、彼はアダム・サピエハ枢機卿の私的な聖堂で司祭に叙階されました。翌日、死者の日に初ミサが捧げられました。カロル神父は、彼の司祭生活の初日(1946年11月2日)に、3つの聖なるミサを捧げました。それは、既に亡くなっていた、彼の愛するお父さん・お母さん・お兄さんのためのミサでした。喜びと悲しみの聖なる日でした。叙階の秘跡の恵みをともに喜ぶべき日に、愛する人々は一緒にはいませんでした。

当時、カロル神父は、聖なるミサが、司祭によって死者に与えることができる最高の贈り物であることを理解していました。その後、カロル神父が司教そして教皇になったとき、彼は教会で死者のために祈る習慣を奨励しました。

私たちが亡くなった信者を神に委ねて祈るとき、私たちは彼らとの連帯を認め、聖徒の交わりの驚くべき神秘を通して彼らの救いを分かち合います。教会は、祭壇での聖なるミサ、信者の祈り、愛徳の業、およびその他の献身的な行為が、煉獄にいる霊魂を助けることができると信じ、教えています。教皇聖ヨハネ・パウロ二世はカトリック信者に死者のために熱心に祈ることを勧めました。

亡くなった私たちの家族・兄弟姉妹が、罪の束縛から解放され、「さあ、私の愛する霊魂、永遠の安息に入りなさい。それはあなたに永遠の喜びを与える」という神の声を聞くことができますように。11月は伝統的に、教会が、死者を記念し死者のために祈る月として、特別に捧げられてきました。私たちの聖なるミサと祈りの中で、死によって私たちから引き離された、私たちの愛する人たちを思い起こしましょう。

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