2022年02月781号
マリア様に倣う
【アダム・クジャク】
昨年末に四日市の海星学校の新校舎建設の着工式を行いました。校舎名は「マリア館」です。学校の正式名は「エスコラピオス学園 海星中学高等学校」でマリア様を敬う祈り=海の星の聖母=Stella Marisから頂いた名前です。
夜の海の暗闇の中で北極星が船乗りたちに港の方向を示されるように、マリア様も霊的な暗闇の中で永遠の港、即ち私たちを天国の道へと導いて下さいます。
マリア様のこの世での生涯をもう一度振り返ってみましょう。
マリアは、母(アンナ)の胎内に宿る前から神様の御子の母として選ばれていました。母の胎内に宿った瞬間から、神様はマリアを祝福し、原罪の汚れから守り、保護されました。
大天使ガブリエルがマリアに全人類の救い主イエス様の母になることを告げた時、マリアは謙遜な心で「私は主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(ルカ 1.38)と答えました。この告白がなければ、イエス様の降誕もありえません。マリアが大天使ガブリエルの言葉を承諾する代わりに拒絶すれば、この世は絶望の闇になってしまい、希望の光も、本当の愛も、人間の救いも不可能になります。このマリアの返事で神様が人間を救うという計画を実行することがお出来になりました。
このようにマリアは聖霊の力で身ごもったとき、周りの人たちの疑いの目を我慢しなければならなかったでしょうし、出産も馬小屋でした。マリアとヨセフはナザレの町で決して裕福な夫婦ではなかったのです。ヨセフが亡くなった後、マリアは母子家庭になり、あの当時では試練の連続だったことでしょう。そうでありながらもマリアの言葉から分かるのは、歴史の中でマリア以上に神様への感謝に満ちた人はいないほど、マリアは毎日が感謝で一杯だったのです。それは、彼女を通して神が成し遂げられる怖れるべき御業に対する感謝でした。神のご計画に対して謙遜な心でただ単に「はい」と答えることによって、マリアは全人類の救いに参与することがお出来になったのでした。
マリア様の世界への影響力を考えてみてください。他の誰にも増してマリア様に奉献された教会はどんなに多い事でしょうか。何世紀にもわたってマリア様は数知れない絵画や、彫刻、讃歌、演劇などの対象でした。毎年、多くの人々の祈りや願いがマリア様のもとに捧げられています。教会の母として、マリア様はあらゆる世代、あらゆる国の人たちの心と想像力を捉えて離しません。私たちがマリア様に、取り次ぎ、助けを求めるのは本能と言っていいでしょう。マリア様を自分の母として受け入れた私たちは、マリア様が私たちを深く愛しており、私たちを知り、私たちに共感していることを感じます。カナの婚礼の時のように、マリア様は私たちの願いを、イエス様に手渡してくださると私たちは信頼しています。マリア様はいつも私たちのために祈り、イエス様に執り成して下さっておいでです。私たちもいつもマリア様に祈りましょう。
「アヴェ・マリア、恵みに満ちた方、主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、ご胎内の御子イエスも祝福されています。
神の母聖マリア、わたしたち罪びとのために、今も、死を迎える時も、お祈りください。アーメン」