教会だより

2019年04月747号

ゆるしの秘跡(ゆるしと和解の秘跡)

アダム・クジャク

灰の水曜日から四旬節に入りました。四旬節は恵の時期、人生を変える改める時です。清い心でご復活されたイエス・キリストを受け入れられるようにカトリック教会は赦しの秘跡を受けることを勧めています。時々信者でも赦しの秘跡の大事さと意味を忘れてしまっていますのでカテキズムの復習しましょう。

イエスはこの秘跡のことをいつお話になりましたか。

主イエスは復活の日の夕方、使徒たちに現れ、「聖霊を受けなさい。だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る」と仰せになりました。(ヨハネ20・22-23)

受洗後の罪のゆるしはどのようにして得られますか。

受洗後に犯した罪は、ゆるしの秘跡によってゆるされます。ゆるしの秘跡は、回心の秘跡、告白の秘跡、悔い改めの秘跡、和解の秘跡とも言われます。

罪はなぜそれほど大きな悪なのですか。

罪を犯す人は神の栄誉と愛を傷つけ、また、神の子となるよう招かれている人間の尊厳と教会の霊的健全性をそこなうからです。すべての信者はこの教会という神殿の生ける石でなければなりません。

罪よりさらに悪いことがありますか。

信仰の立場から見れば、罪より悪いことはありません。したがって罪びと自身はもとより、教会にとっても、世界にとってもそれ以上の不幸はありません。

罪を犯した後、ふたたび神のもとに立ち返るには、人の努力だけで十分ですか。

人の努力だけでは十分ではありません。罪ゆえに失った神との交わりを取り戻すことは、あわれみ深く、人の救いを切に望まれる神の恵みのはたらきにかかっています。わたしたちは自分のため、また他人のためにこの大切な恵みを願わなければなりません。

神のもとに立ち返るにはどうしなければなりませんか。

神に立ち返ることは回心とか痛悔(悔い改め)とか呼ばれていますが、それは、犯した罪に対して苦痛と嫌悪を感じ、ふたたび罪を犯さない、と固く決心することです。回心は過去と将来にかかわることであり、神のあわれみを期待することによって深められます。

赦しの秘跡を構成するものは何ですか

ゆるしの秘跡は、ゆるしを願う人の三つの行為と、司祭が与えるゆるしから成り立っています。ゆるしを願う人の行為は、①痛悔②告白(司祭に罪を言い表すこと)③つぐないの決意と実行です。

痛悔の動機はどのようなものでなければなりませんか。

痛悔は信仰から起こるものでなければなりません。痛悔が神への愛から起こるならば、「完全な痛悔」と言えます。しかし、これ以外の動機から起こるならば、「不完全な痛悔」となります。

大罪を犯した人はすぐゆるしを得ることができますか。

大罪を犯した人が完全な痛悔を起こし、ゆるしの秘跡を受ける機会がありしだい告白するとの固い決心をすれば、すぐにゆるしを得ることができます。ただし、ゆるしの秘跡を受けるまでは、聖体を拝領することはできません。

どんな罪を告白しなければなりませんか。

神ならびに教会と和解したい人は、良心を入念に調べた結果思い出した、まだ告白していないすべての大罪を司祭に告白しなければなりません。小罪の告白は義務ではありませんが、教会は小罪も告白するよう奨励しています。

つぐないはなぜ必要ですか。

聴罪司祭は告白者に罪のつぐないを科します。それは、罪による損害をつぐなわせ、キリストの弟子にふさわしい行動をとらせるためです。

どの司祭でも罪をゆるすことができますか。

例外的な場合を除き、教会から赦罪の権能を受けている司祭だけが、有効にゆるすことができます。

ゆるしの秘跡の霊的効果は何ですか。

ゆるしの秘跡の霊的効果はいろいろあります。①神と和解した痛悔者に恵みがふたたび与えられます。②教会と和解します。③大罪の結果である永遠の苦しみ(罰)が取り消されます。④罪によって受けるはずの現世の苦しみ(罰)が、(少なくともその一部が)ゆるされます。⑤心のやすらぎと、霊的喜びが与えられます。⑥悪の支配と戦う霊的な力が増大します。

告白をしないで大罪のゆるしを得ることができますか。

それはできません。個々の大罪を個人的に、完全なかたちで告白してゆるしを得ることは、神および教会と和解する通常の、また唯一の手段です。

「「カトリック教会のカテキズムのまとめ」ドン・ボスコ社」

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