教会だより

2024年04月807号

ご復活おめでとう!

【マリノE.デハクトJr.】

私は季節が二つしかない場所で生まれて、一年中の天気は変わらないと感じています。日本に来てから休暇を取れる時、帰国することができます。休暇を取る時期は冬だったことが多く、母国に着いたら体の調子が悪くなる場合が多かったです。寒暖の差が大きくて鼻水とか、咳が出ることなどがたびたびありました。一週間ぐらい向こうの天気になれるまでどこへも行かないで、実家でゆっくり過ごすことが多かったです。でも季節の変化は本当に不思議なものだと思います。体の管理は難しいところがあると思いますが、気分転換になることもあるからいいことです。また季節が変わると新しい始まりという感じがするので、希望を見出します。特に今の時期、冬から春になるといろいろな意味で明るい未来が見えると感じます。冬の厳しさから春の暖かさに移ることによって将来の見方が変わる時もあるからです。神学生の頃を思い出すと冬は期末試験があって春は新学期が始まる時期でした。大変なことが様々ありました。試験の時だけではなく、点数が足りない時があったので試験の後、レポートを書かされる場合もありました。でも春の暖かさと花の美しさによって、つらいことがあっても、なんとなく元気が出るようになりました。季節の巡りは本当に不思議であって私たちの日常生活を支えるものになります。

私たちの信仰生活も日常生活と同じように季節、つまり典礼の暦で支えられています。今、私たちは復活節に入っています。復活節と言えば、新しい始まりであって失敗から立ち上がるチャンスがある、ということもあります。私たちが失敗するのは良くあることで、私たちの人生の一部だと言えるでしょう。失敗によって成長することも出来ます。でも失敗して絶望してしまう人もいます。大切なことを決める時、正しいことを選択しなかったことによって、人生に大きな影響があることもあり得るのです。このような失敗から立ち直ることができなければ、全生涯が無意味なものになるかもしれません。いいチャンスは二度と来ないと言われますが、大きな失敗から立ち直ることが出来ないというわけではありません。ただ失敗をしたことはまず認めるべきです。それができれば、悔いのない人生を進むことができるようになるのです。謙遜な心を持ってさえいればやり直しはできます。どんな大きな失敗をしてもセカンドチャンスはあると考えたほうが良いと思います。

復活されたイエス様はいつも弟子たちに現れ、彼らにご自分が復活されたことを他の弟子たちに告げなさいと命令されました。ご復活によってイエス様はご受難と死のために散らされた弟子たちを改めて集めようとなさいました。復活されたイエス様が弟子たちに現れた時、最初におっしゃった言葉は「あなた方に平和があるように」です。「平和があるように」と挨拶なさったのです。イエス様は弟子たちがどんな状態になっていたか良く分かって平和の挨拶をなさいました。弟子たちはイエス様が受難を受けた時、皆逃げてしまって、主を知らないと言いました。そのため彼らはイエス様に対して非常に重い罪を犯したと思っていたのです。彼らは心の中で主を裏切ってしまったと分かっていました。しかしイエス様は弟子たちが自分たちの犯した罪を認めて悔い改めたことをお分かりになってお赦しになりました。イエス様が「あなた方に平和があるように。」とおっしゃった時、弟子たちの恐れは喜びに変えられました。弟子たち自身が赦されたと分かったからです。悔い改めて赦されるということは、ミサ、また他の秘跡の大切なメッセージです。

私たちもこの弟子たちと同じようにイエス様に対してたびたび罪を犯しています。また彼らと同じように私たちもイエス様の招きから逃げてしまう時があります。しかし私たちにはそのセカンドチャンスの恵みがミサによって与えられています。ミサによって私たちも復活されたイエス様に出会うことができるからです。聖ペトロと弟子たちは一度イエス様を捨てたのですが、二度目のチャンスが与えられて、その後は全てイエス様のために生きたので復活されたイエス様の栄光にあずかりました。私たちもミサに与る時イエス様に従う者になることを絶え間なく決心しなければならないと思います。百パーセント出来なくてもかまわないです。大切なのは主イエスに従う者になるための努力なのです。

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