教会だより

2023年10月801号

これからもよろしくお願いします

【マリノE.デハクトJr.】

皆様、お元気ですか。エスコラピオス会の修道者、マリノ神父です。フィリピンからまいりました。私は、五人兄弟の末子です。私は、カトリック信者が多い環境で育てられてきましたので、子供の頃から教会に行くことは当たり前だ、と感じていました。学校でも宗教の授業があって、カトリックの教えを皆と一緒に学びました。小さい頃、ミサに与る時司祭の姿を見たくて、親から離れて司式司祭が見える所に行くことが、度々ありました。また召命のために活動していた神学生が学校に来て、司祭召命のことについて、お話しして下さる時もありました。小学校の六年生の時、そうした神学生のお話しをお聞きして感動し、その頃から司祭になろう、と思い始めました。

二十年前の話になりますが、修道院に入った時、外国へ派遣されることになるとは、思いませんでした。私は、十分年をとっていたからです。外国で勉強することとか、新生活を始めることなどの機会はないと思いました。しかし、一年半後、修道院長が、私ともう二人の修道者に「君たち日本へ行って欲しい。」と言いました。一人の修道者が、若かったので喜んで「はい、行ってみたいです。」と答えました。私は、行きたくないと、思わなかったのですが、確かに心の中には不安がありました。でも、その時、ちょうど初誓願が近づいていたので、従順を実践しないと良くないかなと思い、私も「はい、行きます。」と返事をしました。

私は、今月から戸部教会も担当することになりました。ご存知の方々もいらっしゃると思いますが、私は、神学生の時から戸部教会で活動していました。教会学校の子供たちと一緒に勉強したり、祈ったり、遊んだりしました。特に夏になると子供達のサマーキャンプに一緒に参加しました。その後、2012年4月、戸部教会で司祭叙階を受け、2017年4月まで、助任司祭として司牧活動をさせて頂きました。2017年から2018年の間は、港南教会で主任司祭として努めました。2018年4月から相模原教会へ異動し、現在でも与えられた任務が継続しています。 今回、与えられた任務は難しい課題が沢山出てくると思いますが、皆様の支えと神様の導きがあれば、なんとか乗り越えられることと思います。司祭になってから十年間が経ちました。宣教者として、今まで体験したことは、そんなに沢山ではないですが、やはり日本は宣教地だ、と改めて感じています。司祭が足りなくて、ミサを捧げるためにあちこちに行かなければなりません。また、日本の社会は育ってきた所とは異なっていることが結構あり、宣教活動をすることに関して、難しいところがあります。言葉の壁もありますし、文化と考え方も違うからです。恵まれている環境で過ごしている人たちが、もちろんいます。しかし、信者になっても自分の信仰を表すことが、なかなかできない時があります。大人達は、仕事のことで、日曜日のミサに参加することが出来ないことが、多くあります。子供たちは、日曜日でも学校の活動があって、教会へ来られません。また、自分の信仰のために、仲間から離れてしまう可能性があることを心配している人たちがいる、ということは事実です。家族の中で、自分だけが信者という人たちも珍しくないです。この人たちは、宣教するというより、自分が信仰をもったことにより、家族から離れてしまうと思い、そのことを心配しています。家庭の中においても自分の信仰を表すことができない、ということは非常に残念なことでしょう。このような人たちが、実際におられます。このような人たちが、信仰を保つことが出来ますようにと祈る、私たちの祈りとまた共同体の祈りは、非常に大切だと思います。今でも信仰のために大変な状況で過ごしている人たちがいます。外面的に見えないかもしれませんが精神的に困難な状態にある人たちがいると思います。私たちはキリスト者として、一人一人使命を与えられています。与えられた使命を果たすためには、自分の力だけでは、充分果たせないと思います。特に宣教活動です。キリスト者である私たちは、互いに支え合うことは大事です。神様の頂いた信仰を生かすことが出来る、ということ。そのことにより、イエス様のみ名は、伝えられるようになるのだと思います。

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