教会だより

2020年10月765号

煉獄からの使者

アダム・クジャク

秋の気配を感じるこの頃、新型コロナウィルスのパンデミックは、私たちの「地上で通過する人生」と私たちの「未来の永遠の命」について考えさせられます。

それには「煉獄に居る霊魂の驚くべき秘訣」という本を私は紹介したいと思います。このマリア・シンマのインタビューに基づき、書かれた本の抜粋から私たちも深考しなければならないと思います。

「マリア・シンマ(1915年2月2日〜2004年3月16日、享年89)はオーストリアの信心深い信者でした。教会の歴史の中で以前にも表れたことがありますが、彼女は神の特別な賜物によって、50数年の間に煉獄にいる霊魂の訪問を受けていました。その霊魂のメッセージは何でしょうか。それは、警告を与え、祈りを求め、煉獄で耐え忍んでいる想像を絶する苦しみです。しかしその苦しみは、いつか神の腕に抱かれる確信と喜びに満ちた期待によって和らげられています。霊魂たちは、この地上で生きている人々に、死者の苦しみを和らげるためにどれほど大きな力を持っているか、またその代わりにこの地上の生活の中で、また来世で、その霊魂たちからどれほど助けを頂くことが出来るかを教えてくれるのです。

第1質問―マリア・シンマ、初めて煉獄の霊魂の訪問を受けた時はどのように感じましたか。話してくださいませんか。

はい。1940年のある夜、3時か4時ごろでした。私の部屋へ誰かが入ってくるような音が聞こえました。この物音で目を覚ましました。いったい誰が私の部屋へ忍び込むことが出来たのかしらと目を凝らしました。―中略―

私は全く見知らぬ人を見たのです。彼はゆっくりと行きつ戻りつしていました。私は彼に厳しく言いました。「どうしてここへ入って来たのか?出て行け!」しかし彼はまるで聞こえなかったようなふりをして、いらいらして部屋のまわりを歩きつづけていました。それで私はまた彼に尋ねました。「あなたは何をしているのか。」と。それでも彼は返事をしなかったので、私はベッドから飛び起きて彼をひっつかもうとしましたが空気をつかんだだけでした。そこには何もなかったのです。それで私はベッドに戻りましたが、再び彼がゆっくりと行き来している音が聞こえてきたのです。―中略―

その翌朝のミサ後、私の霊的指導の神父に会って昨夜の出来事を全部話しましたら彼はこう言いました。「もしこんなことがまた起こったとすれば、『あなたは誰ですか』と聞かずに『あなたは私に何をしてもらいたいのですか』と聞きなさい。」と。その次の夜その男、間違いなく同じ男が戻ってきたのです。私は彼に「私に何をしてもらいたいのですか。」と尋ねました。彼は「私のために3回ミサを立ててください。そうすれば私は解放されます。」と答えました。それで私は、それは煉獄の霊魂であることが分かったのです。私の指導神父はこれを確認しました。彼は私に、決して哀れな霊魂たちから顔をそむけないで、彼らが頼むものは何でも寛大に受け入れてあげなさい、と勧めました。

第2質問―その後も訪問者は続いたのですか。

はい。数年間は3つか4つの霊魂だけでした。特に11月に。その後はもっと多くなりました。

第3質問―この霊魂たちはあなたに何を頼みますか。

大抵の場合、ミサをあげてくれるようにと。そしてそのミサに与ってくれるように頼むのです。またロザリオを唱えてくれるようにとか、十字架の道行をするようにとも頼むのです。

第4質問―なぜミサなのですか。

ミサの中でキリストが私たちへの愛のゆえにご自身をお捧げになるからです。そこでキリス卜がご自身を神にお捧げになるので、それは最も完全な奉献です。司祭は神の代理をするものですが、私たちのためにご自身を捧げてご自分を犠牲にするのは神ご自身です。死者のためのミサの効果は生存中にミサを大切にしていた人にとって更に大きいです。ミサに参加してそこで心から祈った人、時間の許す限り平日のミサに与った人なら、自分たちのために捧げられたミサから大きな助けを受けます。この場合にも人は自分が蒔いたものを刈り取るのです。煉獄にいる霊魂には、自分の葬式の日に人々が自分のために実際に祈っているか、ただ参加していることを見せるためだけであるかがはっきり見えます。哀れな霊魂は、涙は自分たちのためにならないと言っています。祈りだけが助けになります。人々が葬式に来ても神にひとつも祈らないことを、度々嘆いています。彼らは涙を流しますが、それは無駄です。」

10月はロザリオのマリア様の月、11月は死者のための祈りの月です。私たちも聖なるミサとロザリオの祈りの重要性について考え、煉獄にいる霊魂のために日々祈りましょう。

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