教会だより

2021年10月777号

ゆるしの秘跡(後半)

ラジュ・アントニー】

8月の教会だよりでゆるしの秘跡の最初の要素である痛悔について話しました。今回は二番目の要素である「罪の告白」と三番目の要素「償い」と四番目の要素「罪のゆるし」に入りましょう。

第二番目の要素は「罪の告白」です。聖書には、罪を犯したことに気づき、それを受け入れて公に告白する例を数多く見つけることができます。民数記には、アロンの告白について書かれた箇所があります。アロンはモーセに言いました。「わが主よ。どうか、わたしたちが愚かにも犯した罪の罰をわたしたちに負わせないでください」(民数記12:11)。サムエル記には、イスラエルの民が公の告白を行ったことが書かれています。彼らはミツパに集まり、水を引いて主の前に注ぎ、その日に断食して「主に対して罪を犯しました」と言いました。そしてサムエルは、ミツパでイスラエルの人々に裁きを行いました(サムエル記上 7:6)

告白のもう一つの美しい例は、イエスが語ったファリサイ派の人と徴税人のたとえ話です。「ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら『神様、罪人のわたしを憐れんでください』と言った」(ルカ 18:10-13)。 1215年の第4ラテラン公会議項目21は、分別の年齢に達したすべてのキリスト信者が、少なくとも年に一度は自分の司祭にすべての罪を告白しなければならないことを定めています。

第三の要素は「償い」です。償いは、罪による損害を修復するために可能なことを行うことです。償いには二つの部分、直接の償いと悔い改めの祈りがあります。司祭が告げる直接の償いが果たされたとき、償いは完成します(例えば、盗んだものを返すこと、損害を補償すること、祈ること)。

和解についての主な聖書箇所の一つは、ルカ福音書の19章1-10節にあるザアカイの和解です。ザアカイは立ち上がって、主に言いました。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」ザアカイは、今日ゆるしの秘跡を受ける人々と同じように、自分の罪を告白しました。その後、ザアカイは自分の罪を修復し、他の人に与えた損害を埋め合わせることを決意しました。私たちは、ゆるしの秘跡の場でイエスと会うとき、ザアカイのように言うことができなければなりません。「もし私が誰かをだましたなら、私は返済します。誰かを怒らせたなら、それを修復します。神と教会の戒めに反したなら、それを解決します。」

そして、最後の要素は「罪のゆるし」です。イエスは弟子たちに罪をゆるす権威を与えました。ヨハネの福音書20章22-23の中で、イエスは弟子たちに息を吹きかけ、言いました。「誰の罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。誰の罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」この権威は、弟子たちから後継者である教会の聖職者に受け継がれました。

償いを指示した後、司祭は次の形式で罪の赦しを宣言します。「わたしは父と子と聖霊の御名によってあなたの罪をゆるします。」告解室の中で、わたしたちは司祭を通してイエスの慰めの言葉を聞きます。「二度と罪を犯さないで、喜びと平和のうちにお帰りなさい。」最初に述べたように、ゆるしの秘跡は、カトリック教会の最もユニークで美しい側面の一つです。この機会を活かして罪の赦しを得て、神と教会と和解してください。

教会だよりのアーカイブ

TOP